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キャルの歌

.05 2014 猫の殿堂 comment(0) trackback(0)
キャル01a-2
在りし日の「キャル」
妻のパソコンにて、天下を取る...
  
キャルの歌

キャルが逝く。
キャルが逝く。
正月三日にキャルが逝く。
青く晴れた冬空を。
キャルの魂が、翔け昇る。
 
さんさん光がふりそそぐ。
三ヶ日、最後の遅い朝。
徹った空気をちりぢりに。
視界の霞もぼんやりと。
キャルの骸 むくろ を包み込む。
 
 
走る窓の向こうには。
鏡ヶ浦の海のあを。
鈍色 にびいろ ゆらめく海のあを。
亡い風もとめて、ゆらゆらと。
うすぎぬ がかった空のあを。
 
ぽやけた滴を。
膝へと追うと。そこには。
ちぢこまった一つの塊。
小さく愛しい。
一つの点。
 
きっと、口を引き結び。
天をふり仰ぐ。
魂呼ばいに。
三度、名前を喚ぶ。
 
キャル。キャル。キャル。
陽の光よ。空の風よ。
キャルを。
その来し方へ。
いのち生まれ出づる故郷へ。
やさしく運べ。
 
さんさん太陽、冬の朝。
徹った空気もちりぢりに。
視界の靄さえぼんやりと。
キャルの骸を包み込む。
 
 
見上げた空の光に導かれ。
小さいからだに手指を当てれば。
背中を走る骨の尾根。
陽ざしに誘われ、目を遣れば。
皮の張りつく髑髏 しゃれこうべ
 
冷えゆく温もり求めて。
両手で必死に。
ひたすら。
 
まさぐる手に力が入り。
ごつごつ痩身、駆けめぐる。
ただ腹だけが、一人。
消えた温もり残して、脹れている。
 
眼よ。耳よ。
てのひら の肉厚の数珠玉よ。
桃の生命を投げ出して。
純白の死を迎え入れる君らよ。
 
誰が穢れを棄てよとて。
白き無垢に還れとて。
誰が。誰が君らに教えたか。
正月三日のこの朝に。
誰が妣の國へ還れと教えたか。
 
さんさん太陽、冬の朝。
徹った空気もちりぢりに。
視界の靄すらぼんやりと。
キャルの骸を包み込む。
 
   *
 
この目出たい日の朝なれば。
来たるべき昼を待ち。
日の輝く午後を待ち。
陽の名残りの夕を待ち。

空の黒ずむ暮れを待ち。
宵を待ち。晩を待ち。
やがて更けゆく...。
夜を待ち。
 
あしたを待ち。明日を待ち。
松飾りのとれる七草を待ち。
寒さのゆるぶ春を待ち。
暑さの夏も。憂いの秋も。
ふたたび訪れる冬の寒さも。
世の諸々のすべてを待ち。
幾たびも待ち。
待ち。
 
盈ちては虧けた双つの瞳よ。
いまは光らぬ望月よ。
闇になお輝いた碧玉よ。
ふたたび光れ。
 
キャルを見捨てた赤い血汐よ。
キャルを蝕んだ白い血よ。
キャルを殺した無数の微細な綺羅たちよ。
手足を染めた黄色い汚液よ。
今はみな。
キャルと共に、灰になれ。
 
   *
 
最期の朝、病院で。
妻の顔を見て。
一度。二度。三度。
一生懸命、手を伸ばし。
力を振り絞り。ふるえながら。
立ち上がり。
そして。
 
おまえの眼に映るのは。
家路を急ぐ窓の向こう。
海のあをと空のあを。
溜息一つ、大きくつくと。
右手さし出し、息絶えた。
 
鏡ヶ浦の海のあを。
そのまた先の空のあを。
冬の陽ざしも暖かく。
南国安房の昼下がり。
 
さんさん太陽、冬の朝。
徹った空気をちりぢりに。
視界の靄さえぼんやりと。
キャルの骸を包み込む。
 
 
逝く。逝く。キャルが逝く。
晴れた朝のその終わり、
毛布にくるまれ、キャルが逝く。
汚れたデニムの胡座の中で。
背中を丸めて、キャルが逝く。
 
夢の中では。
若草色の春草原を。
黄金色の秋野辺を。
しなやかな四肢も伸びやかに。

行く。ゆく。
キャルが行く。
飛ぶように。
跳ねるように。
 
キャルよ。
零れる星々の瞬きと。
下界の億万の燈火に送られ。
鼻唄うたい、飛び跳ねて。
夜の空を翔け巡れ。
 
さんさん太陽、冬の朝。
徹った空気もちりぢりに。
霞む視界もぼんやりと。
俺の手と。俺の脚が。
おまえの骸を包み込む。
 
 
高く。高く。なお高く。
山よりも。雲よりも。
糸の切れた魂は。
大空高く翔け昇り、
空より高く消えてゆく...。
 
   *
 
耳を澄ませば。
遠くキャルの歌が聞える。
 
 
♬ キャール、キャルル、キャール、キャル、キャルル
  キャール、キャルル、キャール、キャル、キャルル
 
  キャルキャールッ、キャルキャールッ、
  キャルキャルキャルキャル、キャルキャルキャルキャル
  キャルキャールッ、キャルキャールッ、
  キャルキャルキャルキャル、キャルキャルキャルキャル
  キャルキャールッ、キャルキャールッ、
  キャルキャルキャルキャル、キャルキャルキャルキャルー
 
  キャルキャールッ、キャルキャールッ、
  キャルキャルキャルキャル、キャルキャルキャルキャル....
 
 
キャル02-2
野良育ちも、みんなパソコンは好き!!
 
キャル大
保護して、肉の付き始めた頃の「キャル」...
  
 
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